大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和35(あ)1021 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人本人の上告趣意について。

所論は、原審が所論証人等の喚問をしなかつた点において原判決は憲法三七条二

項に違反する旨主張する。しかし原審第一回公判調書によれば、弁護人は被告人及

び弁護人の各控訴趣意書のとおり弁論し、検察官はこれに対し控訴趣意は理由がな

いとの意見を述べ、裁判長は結審した旨の記載があり、右被告人の控訴趣意書には

所論証人等の喚問を申請する旨の記載があるので、右控訴趣意書の陳述により右証

人申請がなされたものと認むべきであるところ、右証人申請には刑訴三九三条一項

但書所定の疎明がなされた形跡がなく、又右裁判長の即時の弁論終結、即ち証人採

否の決定なくして弁論が終結されたのに対し、弁護人から何等異議の申立がなされ

た形跡のない点から考えれば、右証人申請に対しては前示疎明がないため不適法な

申請として採否決定の要がないものとされたか、ないしは弁護人において右一旦な

した証人申請を抛棄したものと認めるかのいずれかであつたものと解するを相当と

する、(昭和二九年(あ)第一一四九号、同年七月一七日第二小法廷決定、昭和三

一年(あ)第一〇六三号、同三三年一〇月一四日第三小法廷決定各参照)従つて、

原審において所論証人等の申請は有効になされてはいないことになるので、これが

有効になされたことを前提とする所論違憲の主張はその前提を欠くものである。次

に論旨中には原判決の憲法三八条違反をいう点もあるけれども、被告人の捜査官に

対する所論供述調書が任意性を欠くと認むべき資料は存しないから、右違憲の主張

もその前提を欠くものであり、所論の実質は事実誤認の主張に帰し適法な上告理由

に当らない。

弁護人坂田豊喜の上告趣意について。

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所論は量刑不当の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項但書により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三五年七月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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